発達段階見定め、総合的に支援 東松島・元協力隊員の神成さん、多機能事業所開設
児童発達支援と放課後等デイサービスを展開する多機能事業所「Pomup(ポムアップ)」が9月1日、東松島市大塩に開所した。元市地域おこし協力隊員で、障害者支援に携わってきた神成夏海さん(38)が事業を始めた。神成さんは「発達段階に合った支援で子どもの成長を実感してもらうことで、子育てに悩む家族の幸せにも貢献したい」と意気込む。
神成さんが社長を務める「ヌチユイ」が運営する。対象は3~18歳で、障害があったり成長に不安があったりする人。スタッフはパート、ボランティアを含め計6人。言葉や食べることなどに関するリハビリの専門職、言語聴覚士の資格を持つスタッフが発達検査を担当し、利用する子どもの発達段階を的確に把握した上で適切な療育を提供する。
学習課題では市販の知育玩具に加え、手作りのパズルなども活用する。神成さんは「例えば指先の動きが苦手な子は、感覚が過敏といった原因がある。できない理由を適切に分析し、対応することで正しい発達指導につなげる」と話す。
体の使い方を学んでもらうために、室内でのサーキット運動や四つんばいで前進するクマ歩きなど、一人一人の課題に合った運動に取り組む。社会経験の蓄積を見据え、長期休暇には公共交通機関を使って外出する機会を設けるという。
神成さんは那覇市出身、仙台市育ち。仙台白百合女子大で福祉を学び、同市で放課後等デイサービスの運営などに携わった。2021年12月から今年8月は東松島市地域おこし協力隊員として活動しながら、発達支援事業所の開所を目指してきた。
神成さんは「いま困っていることが改善すれば、その先の人生の可能性や選択肢が広がる。子どもの未来が家族にとっての希望になるよう、総合的な支援をしたい」と力を込めた。
サービス提供時間は、児童発達支援が午前9時~午後0時半。放課後等デイサービスは平日午後1~4時、学校休業日が午前10時~午後3時。延長利用の相談も受け付ける。祝日は休業。連絡先は0225(24)6779。
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