(1019)霧の村石を投(ほう)らば父母散らん/金子兜太(1919~2018年)
池に石を投げ入れると、驚いた小魚が四方へ逃げていきます。この句はそんな印象です。ぽんっと石を投げたなら、村に住む父も母も散り散りになって消えてしまうのではないか、そう作者は感じたのでしょう。濃い霧が…
関連リンク
- ・(1018)愛といふものに触れたし星月夜/小崎実希子(1998年~)
- ・(1017)敗戦の年に案山子(かかし)は立つてゐたか/大牧広(1931~2019年)
- ・(1016)六道のどの道踏むや虫の闇/加藤又三郎(1977年~)
- ・(1015)露草を歩けば己の中に神/及川真梨子(1990年~)
- ・(1014)雪月花じわじわ被曝(ひばく)してゐたる/原雅子(1947年~)