(1021)重ね汲(く)むや菊月の酒末長ふ/田上菊舎(1753~1826年)
菊舎は長府藩士の長女として生まれ、本名は道(みち)。24歳で夫と死別したのち実家に復籍、尼となった。俳諧は美濃派の朝暮園傘狂の弟子。俳諧だけでなく、漢詩、和歌、琴に通じ、全国を旅した。「菊月」は陰暦…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。