一冊との出合い、中心街で楽しむ 石巻で「一箱古本市」 県内外から出店43店舗
段ボール箱一つ分の本を持ち寄って販売するイベント「石巻一箱古本市」(石巻まちの本棚主催)が5日、石巻市中央商店街の各所で開かれ、街は本との出合いを楽しむ人たちでにぎわった。
東日本大震災の翌2012年に始まった一箱古本市は、復興・再生に向かう街を彩る秋の風物詩になっている。13回目を迎えた今年は県内外から43店舗が出店。絵本やアート、歴史、小説と扱うジャンルもさまざまな1日だけの本屋さんが、アイトピア通りや寿町通り、橋通り、シアターキネマティカ中庭、旧観慶丸商店などに出現した。
天気に恵まれたこともあり、本好きの市民と個性的な店主たちの間で本談議に花が咲いた。山形県から訪れた20代の女性がいたり、配布された案内マップを頼りに一箱古書店巡りを楽しむ親子の姿が見られたり、街は「本の秋」一色に染まった。
蛇田から駆けつけた会社員加藤進太郎さん(60)は「市内から書店が消える状況にあって、このような本のイベントはうれしい。ずっと探していた映画のパンフレットを手に入れることもできた」と喜んだ。
地元石巻を拠点に活動する俳優の塩田歩くさんは「一箱古本市も、いしのまき演劇祭も震災後に生まれたイベント。いつかコラボを実現させたい。例えば市民が買い求めた本を、私たち役者がその場で朗読する。街を活気づけたい」と強調、本の薫りにあふれた街歩きを楽しんでいた。
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