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73年前の情景、色鮮やか 石巻で米軍医の記録写真展、第2期 28日まで

会場には撮影場所ごとに所狭しと写真が飾られている
展示している写真。73年前の石巻地方で生活していた人たちの様子がカラーで鮮明によみがえる

 石巻市中央2丁目の旧ホシノBOXピア1階「人とアーカイブの交差点」で開催中の写真展「73年前の石巻&宮城」の第2期展示が注目を集めている。第1期展示と内容を変え、1951年の石巻地方の風景などを切り取った未発表作品も約25点紹介。当時の様子を伝える記録写真が来場者を引き付けている。

 第1期で展示されなかった写真約200点には、旧矢本町の花売りをする人の姿や、石巻市の石井閘門(こうもん)など当時の情景が収められている。撮影場所別に石巻や女川、田代島など地域を分けて掲示している。

 当時米軍医だった故ジョージ・バトラー大尉が撮影。当時の日本では珍しいカラー撮影できるカメラを米国から持参し、四季折々の人々の生活を追った。

 石巻かほくの連載「よみがえる1951」で紹介された写真の他に、長男アランさんから寄託された未発表作品約25点も飾っている。どれも撮影したフィルムから直接印刷された「オリジナルプリント作品」。そのためフィルムの裏表を間違えて印刷し、文字などが反転して写る「裏焼き」の写真があるのも第2期の特徴だ。

 親戚に会った帰りに訪れた東京都多摩市の50代の会社員男性は「米国人が撮ったことに驚いた。昔のことを知ることができて良かった」と話した。

 写真展を開催する同市のNPO法人石巻アーカイブで広報を担当する加藤進太郎さん(60)は「73年前(の情景)だが、カラーで見ると身近に感じる。当時を知っている人と知らない人が写真を見ながら交流してもらえればうれしい」と話した。中には、写っている人物や撮影場所が特定できていない写真もあり、情報提供を呼びかけている。

 展示と同時開催で、東日本大震災前の住宅地図や、石巻地方のタウン誌などの郷土資料、震災の津波で流失した写真をデータ化したものなども閲覧できる。

 会期は28日まで。午前10時~午後5時。火、水、木曜休館。連絡先は石巻アーカイブ代表理事小野寺豊さん090(3753)5295。

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