再生へ、面白い街づくり発表 台湾で台日震災フォーラム ISHINOMAKI2.0やキネマティカ紹介
東日本大震災後、石巻市で新たな街づくりに取り組んできた市民3人が、台湾で開かれた震災フォーラムで講演した。街の復興・再生に向けて行政とは違う発想と視点で推し進めてきたユニークな活動が高い関心を呼んだ。
「レジリエンス創生 - 台日震災フォーラム」(新故郷文化教育財団主催)で、9月21日に台湾の国立曁南(ぎなん)国際大で開かれた。
石巻市から招待されたのは一般社団法人ISHINOMAKI2.0代表理事の松村豪太さん(50)と、同市中央1丁目のシアターキネマティカを運営する石巻劇場芸術協会の矢口龍太さん(41)、阿部拓郎さん(36)の3人。
松村さんは「3.11から始まる地方創生に関するもう一つのアプローチ」の題で発表した。震災があった2011年に2.0を発足させ、「世界で一番面白い街をつくろう」を合言葉に石巻移住ガイド事業、復興バー、コミュニティー形成支援などを展開してきた独自の活動を紹介した。
矢口さんと阿部さんは「津波で被災した空き家を活用した劇場づくり」をテーマに、空き店舗を改修し2年前にシアターキネマティカをオープンさせた経緯を説明。被災した街中での文化活動の役割と意義を説いた。
松村さんはフォーラムを振り返って「地域の活力の源は人材であり、人とのつながりであることを確信した。台湾の人たちともさらに交流を深めて一緒に地方創生の道を探りたい」と強調した。
矢口さんは「被災した街中からエンタメ(エンターテインメント)を発信する手作りの劇場に興味を持ってくれた。台湾のアーティストたちと知り合うこともできた。いつかアート交流ができれば」と夢を膨らませた。
3人はフォーラムを挟んで6~7日間、現地に滞在し、他の大学でも震災後の活動についてそれぞれ講演した。
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台日震災フォーラムは、1999年9月21日に台湾で発生した大地震(マグニチュード7.6)から25年という節目を機に企画された。レジリエンス(回復力、復元力)を持ち、持続可能な未来に向けて新たな機会を生みだす方法を学ぶ場として、復興関連の専門家や大学教授、NGO関係者らが参加して開かれた。
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