女川原発 UPZ5市町、協議会設立へ 全国自治体と連携模索
東松島市など東北電力女川原発(女川町、石巻市)から5~30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に入る5市町でつくる「UPZ関係自治体首長会議」は、29日予定の同原発2号機の再稼働をにらみ、活動を強化することで合意した。新たに協議会を設立し、全国のUPZ自治体との連携した活動を模索する。
新たな組織の名称は「女川原子力発電所UPZ関係自治体協議会」。5市町の首長で構成し、12月下旬に設立する。女川原発再稼働に加え、推進論が勢いを増す原子力政策の情勢を踏まえた。原発の安全性確保や防災体制の構築を目指し、県との連携、国や県への要望活動を展開する。
会議は2012年に原子力災害対策の重点地域が原発の半径10キロ圏から30キロ圏に拡大したのを受け、13年7月に設立した。避難計画の協議や東北電との安全協定締結を進めてきたほか、近年は県に対し、核燃料税交付金の配分要求などをしてきた。11月1日にも県に交付金増額を要望する。
代表幹事の渥美巌東松島市長は「原発による恩恵がないUPZ自治体を納得させるには(交付金などの)金しかない。同様の動きが全国的に出てきた時、連携できる体制づくりが必要だ」と話した。
東日本大震災後、運転停止が続く3号機に関しても「県はUPZ自治体がさらされる危険性を認識していない。UPZ自治体の理解なくして再稼働はない」と述べ、原発政策に存在感を示す考えだ。
会議は本年度2回目で5市町の約20人が参加し、15日、東松島市役所で冒頭以外非公開で行われた。
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