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石巻市桜坂高10周年 品格・知性・感性育む あす、記念式典

石巻市日和が丘2丁目の現校舎。市女高の校舎を大規模改修し、耐震補強、校舎の増築などを行った
市女高時代の校舎=2005年10月18日
石巻市渡波にあった市女商高の校舎=2007年10月18日
「チカラモチ」を笑顔で販売する商業研究部員
講師から浴衣の着付けを学ぶ生徒ら
佐々木校長
伊藤生徒会長

 石巻市桜坂高(佐々木宏明校長、生徒344人)が25日、石巻市開成のマルホンまきあーとテラス(市複合文化施設)で創立10周年を祝う記念式典を開く。石巻市女高、市女商高の統合により2015年に開校。「英知」「精励」「和敬」の校訓を掲げ、県内唯一の公立女子高校として、品格にあふれ豊かな知性と感性を持ち、社会に貢献できる人材の育成を目指して歩んできた。式典には学校関係者に加えて斎藤正美市長、来賓らも出席。落語家林家たい平さんの記念講演も予定している。

<市女高と市女商高、桜坂の歩み>

 桜坂高誕生に伴い閉校した石巻市女高と市女商高には、それぞれ89年と57年の歴史があった。桜坂高は両校の伝統と歴史を引き継ぎながら、創立10周年の節目を経てさらに歩みを進める。

 市女高は、1918年開校の石巻実業補習学校が前身で、25年に設置された県石巻実業女学校の流れをくむ。校名は、県石巻女子商業学校、石巻市立高等女学校、石巻家政高等学校と移り変わりながら歴史を刻んだ。

 市女商高は、ルーツとなる渡波町立渡波家政専修学校が57年に開校。その後、石巻家政専修学校となり、商業科を設置。63年に石巻市女商高となった。

 両校の統合を巡っては、旧石巻市が2003年、市立高校再編に向けた基本方針を策定した。当初は10年に両校を閉校し、新校舎を整備して共学校を設置する予定だった。

 旧1市6町の合併後、女子校の設置へ方針転換し、市教委が検討を重ねる中で東日本大震災が発生。市女商高の被災などを受けて計画が見直され、15年度に市女高に統合校を開設する方向性が決まった。

 校名案の公募では503件が寄せられ、学校関係者らでつくる選考委員会が4件に絞り込んだ。その中から、市教委が「桜坂」を採用した。

<県内唯一の公立女子高>

 桜坂高は県内唯一の公立女子高として、教育の3本柱の一つに「品格教育」を掲げ、特色ある取り組みを多彩に展開している。

 石巻市女高時代から引き継がれ、約30年にわたり続く選択科目「生活教養」では、着付け、華道、茶道、手話の体験授業を実施。座学や実技を通じて、女性としてのたしなみやマナーを身に付ける。

 小笠原流の講師を招いた礼法指導も全学年で行っている。礼の仕方に始まり、靴の脱ぎ方、のし紙の種類や使う場面など多岐にわたり、社会に出てから必要とされる作法や所作を学ぶ。

 クラブ活動や部活動では、食文化の発信や社会貢献を目指し奮闘する生徒がいる。市女高時代時代から続く家庭クラブは、文化庁の「100年フード」に認定された「ほや雑煮」をイベントで調理販売するなど普及に取り組む。ホヤを使った新たなメニュー開発にも挑戦している。

 商業研究部は市内外の企業とタイアップし、独自商品の開発に挑戦。最近では、県内の米粉製粉会社と非常食「チカラモチ」を共同開発し、5月に市内のイベントで販売した。売り上げの一部を、台湾東部沖地震の被災地に同商品を届ける活動に充てた。

佐々木宏明校長「変化に対応、生きる力を」

 本校は、歴史と伝統ある石巻市女高、市女商高の魅力を引き継ぎ、独自の価値を構築しながら創立10年目を迎えました。県内唯一の公立女子高として品格教育・キャリア教育・学力保証の3本柱を実践し、地元に貢献する人材の育成に取り組んできました。

 生徒たちは純粋かつ純朴で、真摯(しんし)に地域のことを思い、考えています。地元にはさまざまな分野で石巻を支えてくれる卒業生がいます。卒業後に市外へ出る生徒もいますが、学校で育んだ地域愛を胸に、いずれ地元に戻って活躍してくれることを期待しています。

 本年度、コミュニティ・スクールの取り組みも始まり、より地域の方々の力をお借りして学校運営に取り組んでいます。生徒と教員がともに成長しながら、双方にとって価値のある関係性を育んでいきます。

 生徒が自分をしっかり持ち、真心を抱き、大きく変化する社会に順応して生き抜く力を身に付けてもらえるよう、今後も励んでまいります。

生徒会長・伊藤優歌(ゆうか)さん「自分らしさを大切に」

 創立10周年に生徒の一人として立ち会えることをうれしく思います。

 桜坂高は、生徒がいきいきと自分らしさを大切に学校生活を送ることができるところが魅力だと思います。生徒と教師の距離が近く、勉強に集中しやすい環境が整っています。

 体育祭や文化祭といった学校行事でも、女子校ならではのアイデアを実現できるので、とても盛り上がります。部活なども全力で楽しめる学校です。

 生徒会長として通いやすい学校を目指し、在校生アンケートを行ったり校則の改善に向けた提案をしたりしました。桜高生の誇りを持って生活できるよう頑張っています。

 後輩の皆さんには、本校だからこそできる経験をたくさん味わってほしいです。

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