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2024衆院選・宮城4区 4陣営が投票率予想、無党派層獲得へ 票固めに躍起

 衆院選は終盤に入り、宮城4区は自民党前議員の伊藤信太郎氏、れいわ新選組新人の大林正英氏、日本維新の会新人の佐藤雄一氏、立憲民主党前議員の安住淳氏が27日の投開票に向けて追い込みを図っている。各陣営は選挙区再編が投票率にどう影響するか、注視する。石巻地方の期日前投票が増えていることや、無党派層の獲得を狙い、「上昇」を期待する声もある。

 4区は旧4区と旧5区が再編統合された。旧4区の投票率は前回(2021年10月)が57.15%で、前々回(17年10月)を3.09ポイント上回った。旧5区は前回が57.34%で前々回より3.33ポイント増えた。前回は知事選と同日選となり、石巻市と女川町では県議補選も重なるという上昇要因があった。今回、新たな区割りがどう影響するのか、各陣営は気にしている。

 伊藤陣営は4区で期日前投票が増加している点を踏まえ「投票率は上がるのではないか」とみる。懸念するのは派閥裏金問題を巡る党への逆風で、支持者に投票や周囲への声がけを要請。選対幹部は「党支持層に改めてお願いするしかない」と票固めを急ぐ。

 無党派層への浸透を狙う大林陣営は「全国と比べ、特に石巻市は選挙に関心が高い印象がある。投票率は前回を上回るのではないか」と予想。大林氏は「地盤がない選挙区で一からスタートした。これまで選挙に行かなかった人の投票は大歓迎だ」と話す。

 佐藤陣営は知事選とのダブル戦となった前回の結果を挙げ、「前回と同じ水準か、少し高くなることを願う」と述べた。佐藤氏は「今回は政治とカネという分かりやすい争点がある。投票先の選択肢も増え、興味を持ってもらいやすいのではないか」と話した。

 安住陣営は「希望の投票率は60%。無党派層の風に期待したい」と語る。投票率が上がれば、裏金問題といった政権批判票を取り込めるとみて票の掘り起こしに走る。安住氏は各地の個人演説会で旧4区の親戚や知人に声を掛けて投票を促すよう、支持者に訴えた。

<期日前 22日までの投票、石巻地方3市町とも増加>

 石巻地方2市1町の選管は23日、衆院選の22日までの期日前投票の状況をまとめた。

 公示翌日の16日から7日間に石巻市で投票した有権者は1万1023人で、全体の9.6%。2021年の前回衆院選の同時期より約2.5倍に増えた。

 投票数が前回より大幅に増えた要因として、石巻市選管の担当者は前回投票所入場券の到着が遅れた点などを挙げる。「前回は入場券の到着を待って投票した人もいたと思う」と語る。

 前回は県知事選と県議補選も同日に行われ、各選挙の期日前投票の開始日にばらつきもあった。

 東松島市で投票したのは2986人(9.2%)。前回の2793人(8.3%)より193人(6.9%)多い。市選管の担当者は「初日から人出は良い」と説明する。

 女川町は873人(17.6%)が投票した。前回の772人(14.5%)より101人(13.1%)多い。町選管の担当者は「投票日は町内で『秋の収獲祭』があり、参加するために投票を済ませた人が多いのではないか」と推測する。

◇衆院選宮城4区候補者 
 伊藤信太郎71 前環境相    自前(7)(公推) 
 大林 正英60 元釜石市議   れ新 
 佐藤 雄一45 元石巻市議   維新 
 安住  淳62 前党国対委員長 立前(9)

【遊説日程(24日)】

〔伊藤陣営〕
▽選挙カー=利府町、塩釜市やまや清水沢店、イオンタウン矢本駐車場、セブンイレブン石巻港インター店
▽個人演説会=石巻グランドホテル(午後6時)

〔大林陣営〕
▽選挙カー=塩釜市、多賀城市、利府町、富谷市、松島町、仙台市

〔佐藤陣営〕
▽選挙カー=石巻市、東松島市、松島町、イオンモール新利府北館前、JR多賀城駅前、塩釜市

〔安住陣営〕
▽選挙カー=石巻市、大和町、富谷市、多賀城市、七ケ浜町

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