新潟県中越地震から20年 直下型の実態、発信 石巻・門脇小で企画展、12月8日まで
68人が犠牲になった新潟県中越地震から23日で20年が経過した。石巻市の東日本大震災遺構門脇小で、中越地震の記録や復興の歩みを伝える企画展が開かれている。地震の伝承拠点をつなぐ「中越メモリアル回廊」と連携、内陸を震源とする直下型地震の実態をパネルで来場者に発信する。
2004年10月23日に発生した同地震は、最大震度7を観測し、住宅被害は全壊判定3175棟に上った。被災地には7カ所の伝承施設や公園が開設され、広域拠点「中越メモリアル回廊」としてまとめられた。
企画展は15枚のパネルを展示する。7拠点の紹介をはじめ、地震の概要や、土砂災害による集落の孤立などの被害を解説。コミュニティーやなりわいの再生といった復興の動きも図解する。大規模崩落や水没家屋のある被災現場の保存について写真や文章で紹介するパネルもある。
金沢市から訪れた公務員藤井啓司さん(37)は「大地震という言葉でくくられる災害も、場所によって被害の様相は大きく違うことが分かった。一方で地域のつながりが欠かせないという共通点があり、能登半島地震の復興にも役立てたい学びを得た」と話した。
企画展は中越メモリアル回廊の協力を得て門脇小が主催する。担当スタッフの高橋正也さん(25)は「津波被害が大きかった大震災と異なり、地震の揺れと土砂災害で複合的な被害をもたらした地震について知り、次の災害に備える意識を持ってほしい」と語った。
展示は12月8日まで。入館料を支払うと入場できる。問い合わせは門脇小0225(98)8630。
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