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石巻の小中学校に「文庫」1万冊 合板大手セイホク、寄贈 本棚も製作

 石巻市重吉町や潮見町に工場を構える合板大手セイホク(東京)は、「セイホク文庫」と名付けた計約1万1300冊の図書と本棚を市内の全小中学校に寄贈した。井上篤博社長は「たくさんの知識を身に付け、将来、石巻を支える人になってほしい」と話す。

寄贈された文庫を囲み、井上社長(奥中央)と記念撮影をした児童ら

 図書約300冊と本棚が贈られた市大街道小(児童221人)では、22日に寄贈式があった。井上社長と小野寺誠悦管理本部長が同校を訪問。文庫が設置された図書室で2年生の児童29人に出迎えられた。

 井上社長は「読書をすれば、他の人の生き方や知識が自分事として分かるようになる。本をしっかり読んで、周りの人のことも大切にできるようになって下さい」と児童に呼びかけた。

 子どもたちは声をそろえて感謝の言葉を読み上げた。代表児童は「小説を読んで漢字が分かるようになりたい」「本も本棚も大切にします」などと伝えた。好きな本の発表や合唱の披露もあった。阿部翔さん(7)は「図鑑が好きなのでいっぱい読みたい」と喜んだ。

 寄贈は同市出身の小野寺管理本部長が発案。市内の小中学校49カ所を対象にした。桃生地区の小学校3校は、来春の統合を見据え桃生小のみに贈る。市教委に図書の購入費約3200万円を寄付し、各校が児童数に応じた冊数の本を選んだ。本棚は高さ1メートル、幅が90センチか1メートル80センチの2種類で、計約800万円をかけて製作した。

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