女川原発 再稼働2号機、臨界に 近隣住民「技術高め安全運転を」
東北電力は30日、原子炉を起動させた女川原発2号機(女川町、石巻市)が同日午前0時12分に核分裂反応が安定的に継続する「臨界」に達したと発表した。11月7日の発電再開を予定し、最終検査実施を経て12月中の営業運転開始を目指す。
29日午後7時、2号機の中央制御室で運転員が原子炉起動の操作を行った。燃料集合体560体が収められた炉心から、制御棒137本を段階的に引き抜いた。東北電によると、作業開始後これまでにトラブルは発生していないという。
臨界で生じた熱エネルギーによって原子炉圧力容器内の冷却水を沸騰させ、発生した蒸気でタービンを回すことで発電する。
13年ぶりの再稼働に、女川町女川1丁目の女川南区行政区長の木村利彦さん(76)は「運転員の中には13年前の経験がない人もいるので、しっかり技術を習得してほしい」と注文し「電気は生活に必要不可欠なもの。安全に動かしてほしい」と話す。
JR女川駅前のテナント型商店街「シーパルピア女川」で果物店「相喜フルーツ」を営む相原義勝さん(76)も「避難道がまだできていない。国、県、町が連携して早く整備して、町民を安心させてほしい」と求めた。
女川原発は東日本大震災震源地に最も近い原発。地震発生時は1号機と3号機が運転中で、2号機は定期検査のため起動の準備中だった。強い揺れを感知し、全3基が自動停止した。
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