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懐かしい街並み鑑賞 故・熊倉さん専用ギャラリー、最後の月間企画展 石巻

懐かしい街並みの色紙絵などが目を引く風景画展

 石巻市の画家、故熊倉保夫さん(1937~2008年)の11月の企画展「懐かしい街並みと秋の風景」が、同市南中里4丁目にある専用ギャラリーで始まった。土日のみの開館で、24日まで。4月から同ギャラリーで開催してきた企画展は今月で終了する。

 1960~90年代に描いた、石巻地方を中心とした風景画31点を展示。ペンと水彩で描いたかつての石巻駅舎や長面海岸などが目を引く。日和山から見下ろした油彩画「秋景I」は、中瀬の造船所のクレーンや燃えるような紅葉が往時の活気を醸し出している。

 展示作品の中で最も古い62年に描かれた「三角茶屋」は、同市田道町1丁目の交差点に2013年まであったそば店周辺を描いた。現在より狭い通りや、趣ある商店のたたずまいが来場者の関心を集めていた。

 女川町女川浜の阿部佳那子さん(38)は「女川魚市場の色紙絵は、停泊する離島航路の旅客船に懐かしさがこみ上げた。東日本大震災で失われた風景が残る大切な1枚だ」と話した。

 入場無料。午前10時~午後4時。ギャラリーは南中里4丁目6の6。11月30日と12月1、7、8日は原画の販売会を行う。連絡先は東北プランニング0225(95)0352。

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