秋の叙勲、功績輝く 石巻地方、新たに4人 喜び語る
秋の叙勲受章者が発表され、石巻地方からは消防や地方自治などの分野で8人が選ばれた。3日に紹介した3人を除く5人のうち、4人に受章の喜びを聞いた。石巻地方ではこのほか元東北運輸局自動車技術安全部長の長谷川茂さん(71)=石巻市田道町=も瑞宝双光章を受けた。
瑞宝小綬章(地方自治功労)
■元県監査委員事務局長 及川公一さん(71)=石巻市小船越
小牛田農林高を卒業した1972年、県庁に入庁。初任地の県石巻漁港事務所や気仙沼県税事務所など地方勤務も多く、最後は県監査委員事務局長を務めた。「受章は正直、驚いている。支えてくれた妻のおかげだ」と感謝する。
東日本大震災があった2011年は人事課長。決まっていた人事を再調整し、異動時期を変えるといった対応に追われた。「心苦しい年だった」と振り返る。
県職員の仕事はさまざまな分野を学べることが魅力だといい「志す人が増えてほしい」と願う。
瑞宝単光章(防衛業務功労)
■元防衛技官 土井春弥さん(65)=東松島市矢本
航空自衛隊松島基地(東松島市)の第4航空団施設隊で防衛技官を40年務め、施設の修繕など基地の維持管理に尽力。「施設隊は隊員の衣食住全てを担う部署。いわば裏方だが、基地には不可欠な存在」と仕事への誇りを口にする。
基地勤務だったおじに誘われ、24歳で施設隊へ。以降、松島勤務一筋で、長年にわたる円滑な基地運営への貢献が評価された。「目立たない場所で頑張っている技官は数多く、その全員を代表しての受章と思う。支えてくれた先輩や上司、家族にも感謝したい」と話す。
瑞宝単光章(消防功労)
■元石巻市消防団副団長 阿部長一さん(74)=石巻市小積浜
「地域の安全はそこに住む人たちが守る」という信念で1982年に入団。退団前の3年間は副団長を務めた。
東日本大震災では地域の同僚の多くが被災したため、個人で炊き出しやボランティアの受け入れに奔走した。その後、個人での活動も見据えて防災士などの資格を取得。「未来を担う子どもたちのために」と学校で防災知識を伝えている。
「住みよい場所であるためには、安全でなければいけない。災害時にいち早く活動する消防団は地域に必要だ」と後進に期待する。
瑞宝単光章(消防功労)
■元石巻市消防団副団長 松川恵洋さん(70)=石巻市三輪田
「自分で良いのかという驚きがあった。仲間や家族の支えのおかげで長く活動でき、受章につながった」
消火訓練など住民がチームとして取り組むことが楽しく、2020年3月まで40年以上務めた。12年から8年間は副団長を担った。東日本大震災では石巻市大川地区で行方不明者の捜索に尽力。「早く家に帰してあげたい」と願い、同僚の団員と共に30人以上を発見したという。
消防団は人手不足が課題。「地域の安全のために重要な活動。担い手が増えてほしい」と望む。
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