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憧れの船乗りへ一歩 海技士2~4級、宮城水産高生9人が筆記合格

 宮城水産高(生徒231人)の生徒9人が、大型船舶の船長や機関長を務めるために必要な国家資格「海技士」2級~4級の筆記試験に合格した。漁船や貨物船などの幹部候補としての一歩を踏み出そうと、来年春の口述試験に向けて気を引き締めている。

海技士の筆記試験を通過し、漁船や貨物船の幹部候補へ一歩を踏み出した生徒ら

 海技士免許は航海と機関の2種類あり、このうち3級では500トンまでの船長や機関長になれる。試験では航海や船の運用、英語などの知識が計4科目の筆記試験で問われる。筆記試験は年4回あり、全科目合格後、口述試験を通過すると免許を取得できる。

 同校で筆記試験に合格したのは、高校卒業後に進む専攻科(2年間)航海コース・機関コースで学ぶ2年生5人と、高校の航海技術類型3年の4人。

 このうち専攻科航海コース2年の渡辺安嵐(あらん)さん(19)は、チャレンジ2年目で航海2級の全4科目通過をかなえた。高校3年時点で3科目パスしていたが、苦手な英語が壁となっていた。今回の試験は修了前最後のチャンス。放課後に英語教諭から指導を受け、努力を結実させた。

 「自分がいなければ船を運航できないと言われるような人物を目指す」と力を込める。修了後、静岡県の水産会社の海外巻き網漁船に乗船する予定で、今後の口述試験に向けて気を引き締める。

 同機関コース2年の畑中千宙(ちひろ)さん(20)は、機関2級の筆記2科目に合格した。航海実習で目にした船員の姿に憧れて機関長を目指すようになり、昨年10月に3級を取得。放課後、船員経験がある教員から個別指導を受けるなどして2級の試験に挑んだ。

 今後は残る筆記2科目と口述試験の突破を目指す。卒業後、都内会社が所有するタンカーでの仕事が決まっており「謙虚さを忘れず、先輩の技術や知識を吸収してどんな船や機械でも対応できる船員になりたい」と先を見据えた。

 筆記試験を通過したその他の生徒は次の通り。

【3級】
▽航海 秋山慎之介(専攻科2年航海コース)、高橋竜輝(航海技術類型3年)
▽機関 品野浩次郎、千葉健汰(専攻科2年機関コース)
【4級】
▽航海 阿部海輝、安藤太雅、松坂颯真(航海技術技術類型3年)

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