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「他者を知る」が第一歩 人権週間、来月4~10日 石巻地方で啓発活動

河北中生に一日人権擁護委員委嘱

一日人権擁護委員として抱負を述べる佐藤さん

 仙台法務局石巻支局と石巻人権擁護委員協議会は18日、石巻市河北中(生徒110人)で生徒2人と、斎藤正美市長に一日人権擁護委員を委嘱した。人権尊重思想の普及と意識高揚を目指す人権週間(12月4~10日)の一環。

 委嘱状交付式が同校体育館であり、生徒会の2年佐藤颯真会長(14)と1年安田望未副会長(13)、斎藤市長代理の市河北総合支所の草刈明彦所長に、同支局の佐々木賢一支局長から委嘱状が手渡された。同協議会の馬場務会長が人権擁護委員のたすきをかけた。

 佐藤さんは「自分勝手にすることは自由とは言わない。河北中生一人一人の存在を大切にし、安心して学校生活を送れるようにしていく。自分たちの手で自由で楽しい学校をつくっていきましょう」と呼びかけた。

 安田さんは「1年生のクラスには『1人も見捨てない集団をつくろう』という掲示物がある。これを合言葉に、どんな場面でも1人も見捨てない学校をつくり、みんなが幸せになる学校生活を目指す」と抱負を述べた。

 佐々木支局長による人権教室や、2年の菅生将汰さん(14)による人権作文の作品「知ることは第一歩」の朗読もあった。

<来月3日、河南西中>

 12月3日には河南西中でも交付式などがある。

人権擁護委員4人、ウェルネス宮城高で授業

互いの魅力を探す大切さを生徒に語る松浦さん(中央)

 12月4~10日の人権週間を前に、日本ウェルネス宮城高(生徒127人)で20日、県内の高校で初となる人権擁護委員による授業が開かれた。石巻人権擁護委員協議会の委員4人が全校生徒に向け男女や障害者、スポーツなどに関わる人権について講義を展開。生徒は価値観の違いや互いを認め合う大切さを学んだ。

 委員の松浦達夫さんは1年生38人を対象に「自分と他者の人権」とのテーマで語った。一人一人に白紙のカードを配り、同級生の長所を書くように指示した。生徒は「何事にも真面目」「自信にあふれている」などと書き、気恥ずかしそうにカードを交換し合った。

 松浦さんは「自分の良さと他者の良さに気付き、伝えることが人権の基本だ。相手に心を傾けて長所を探し、人権を大切にする世の中にしてほしい」と呼びかけた。谷川蓮さん(15)は「普段は恥ずかしくて言えないことを伝えられた。自分なりに人権を意識できたと思う」と話した。

 総合コースの生徒も同様のテーマの授業を受けた。2年生は「障害者・老人の権利」、3年生は「男女の権利」についてそれぞれ学んだ。

 同高は北海道を除く全国から生徒を受け入れており、学校生活では生徒同士が出身地の違いから価値観を受け止めきれない場面もあるという。互いを尊重できる関係性を学んでもらおうと、同高のいじめ防止対策委員会が企画した。

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