新観光拠点に高まる期待 道の駅「東松島」、27日開業 展望自慢、物販充実
東松島市の道の駅「東松島」が27日、三陸沿岸道上り線矢本パーキングエリア(PA)隣接地に開業する。県内19カ所目で、市内では初めて。
新たな観光拠点の誕生に、市の1次産業振興や観光客の呼び込みに期待が高まる。競合しそうな石巻地方の施設はむしろ開業を歓迎し、相乗効果を望む。(西舘国絵)
道の駅は石巻地方の農水産物などを販売する物販や飲食エリア、市を眺望できる展望デッキなどで構成する。内装や外装は市内の航空自衛隊松島基地の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」のデザインをちりばめ、ブルーファンにもアピールする。
1階物販エリアには約150の企業・個人が出品し、5000を超える商品を取り扱う。同市矢本の「ちゃんこ萩乃井」は特産品であるノリを生地に練り込んだ乾麺「のりうどん」を並べる。大森宣勝会長(79)は「商品を県外に広める機会。駅を通じて観光客に街やブルーの良さを知ってほしい」と期待する。
1階販売加工室は、市民らが食品加工に利用できるほか、その場で販売できる。同市矢本の40代女性は、母と米粉パンの販売に臨む。パン店の勤務経験はあるが自身で経営するのは初めて。「不安はあるが設備がそろっていてすごくいい。やりたかったことにやっとチャレンジできる」と話した。
2階飲食エリアに入るのは仙台市の製麺会社「宮城熊さん」。主力のラーメンのほか、県産カキを使った定食やそばを提供する。テナントはほかに石巻市北村の「珈琲(こーひー)工房いしかわ」などが出店する。
東松島市の第三セクター東松島観光物産公社が指定管理者となり、駅長は小山修社長(66)が務める。小山駅長は「景観だけをとってもいい観光スポットになるのでは。期待の声も大きく、ぜひ成功させたい」と意気込む。
道の駅の1年間の売り上げ目標は7億円、来客は100万人を目指す。小山駅長は「1年目はどっと来ると思うが、それが続くかが課題。来場者にリピーターになってもらうため、手を替え品を替えイベントなどを展開しなければならない」と気を引き締めた。
新たな観光施設の登場に、ライバルになりそうな石巻地方の施設は意外にも歓迎ムードだ。
石巻市中央2丁目のいしのまき元気いちばを運営する元気いしのまきの松本俊彦副社長(60)は「道の駅を訪れた人が石巻にも足を運ぶなど、圏域一体が活気づく波及効果を期待したい」と語る。
「観光産業の追い風になる」と見るのは同市小船越の道の駅「上品の郷」の佐々木正文駅長(66)。来場者減などの一時的な影響は想定しつつも、扱う商品や設備の違いから客の取り合いにはならず、長期的には新規客の来場といった好影響があると予想する。
上品の郷は東松島のスタッフらの訓練にも協力し、数日間の研修を実施した。27日は開業を記念したセールも実施する。佐々木駅長は「石巻の観光はこれから。点ではなく広域で展開して初めて観光地になっていく」と述べた。
みやぎ地域安全情報
宮城県警 みやぎセキュリティメールより
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