女川・総合防災訓練 スマホで避難迅速化、検証 災害時の備え、意識高める
女川町は23日、本年度の総合防災訓練を町内全域で実施した。町民約340人が参加し、地震から身を守る手段やスマートフォンアプリを使った避難の迅速化などを検証し、備えの意識を高めた。
午前10時に町内で震度6強を観測する地震が発生し、大津波警報が発表されたと想定。自宅や職場などで身を守る行動を実践する「シェイクアウト訓練」や、地区ごとの実情に合った訓練などを展開した。
女川南区では住民15人ほどが、県が開発したスマホアプリを活用し、住民避難の迅速化を試した。利用者は集会所内に掲示されたQRコードをスマホで読み取り、到着時の登録を完了。スマホを持っていない高齢者らは、県職員が用意した専用の機械にマイナンバーカードをかざしたり、用紙を記入したりして受け付けした。
南区行政区長の木村利彦さん(76)は「アプリ利用者が多かったので受け付けがスムーズだった。高台にある地区なのですぐに避難が必要になるわけではないが、防災の意識を高められるように今後も訓練をこまめに実施したい」と話した。
他の地区では自動体外式除細動器(AED)の操作や初期消火、炊き出しなどの訓練を行った。