石巻市が総合防災訓練 北海道・三陸沖後発地震を想定 避難所の運営、確認
石巻市は2日、本年度の総合防災訓練を市内全域で実施した。市内全小中学校を登校日とし、児童生徒を含む多くの市民が参加。巨大な後発地震への注意を呼びかける「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が出されたとの想定を初めて組み込んだ。各地域の参加者は、東日本大震災を教訓とした災害時の対応を再確認した。
訓練は、2日午前8時半に三陸沖を震源とするマグニチュード(M)9.1の地震が発生し、市内で震度6弱を観測、対象地域に大津波警報が発表されたと想定。前日の1日には注意情報が出されたとして災害メールで周知した。
2日は防災行政無線の放送などを合図に、市民が自宅などで頭と体を守る動作をする「シェイクアウト訓練」を行い、学校など避難場所へ向かった。各地域では自主防災組織や町内会、学校が中心となり、避難所の開設や運営、支援物資の配布などに取り組んだ。
約150人が身を寄せた釜小では、上大街道第二町内会や同小、青葉中が連携し、避難者の受け付けや避難所の運営手順を確認。受け付けは名簿への記入のほか、マイナンバーカードと連携した「デジタル身分証」アプリでも実施した。
非常用持ち出し袋の中身が題材のビンゴゲームもあり、水や食品などが読み上げられビンゴになると景品が贈られた。運営に青葉中生も参加し、避難者に配るおにぎり作りや配布する物資の取りまとめを担った。
同市築山の主婦勝又夕紀さん(43)は「アップデートされる防災対策を訓練で知りたい。非常用持ち出しリュックを持ってきたけど、ビンゴで足りていない物が分かった」と話した。同中2年で、運営に携わった次男の心渡さん(13)は「必要な物資を聞いた時にみんなが協力してくれた。災害時は周りのことも考えて行動したい」と語った。
町内会の赤間彰会長(71)は「震災前から住んでいる人も転入者も訓練でつながりを持てるといい。命を守るため災害に備えてほしい」と述べた。
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