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定時制通信制・生活体験発表大会 石巻北高飯野川校の水越さん、全国3位に

全国大会で3位相当賞を受賞した水越さん

 石巻北高飯野川校3年の水越秀明さん(18)が、17日に都内で開かれた全国高校定時制通信制生徒生活体験発表大会で、3位に相当するNHK会長賞を受賞した。生徒会活動を通して吃音(きつおん)や過緊張の症状を乗り越えた実体験を堂々と語った。同校生徒としては2年連続での全国入賞となり、講師の高橋秀雄さん(73)は「県内では半世紀近く見たことのない快挙だ」と喜ぶ。

 大会には各都道府県の代表計60人が出場。予選を5会場で実施し、各上位3人の計15人が本選に進んだ。共感性や建設的な考えを持っているかといった発表内容と、態度や表情が自然か、論旨が表現できているかなどの基準で得点を競った。NHK会長賞は2人が受賞した。

 水越さんは過緊張と吃音の症状に悩みながらも、生徒会役員として全校生徒を前にした行事報告に挑戦した経験などを紹介した。一度も原稿に目を落とすことなく「(症状は)欠点ではなく、自分の性格の一部だと思えるようになった」と胸を張って語った。

 原稿を何十回も朗読する練習を県大会前からほぼ毎日続けた成果もあり、予選、本選とも程よい緊張感で臨めたという。「発表を終えた瞬間には、どんな悩みがあってもここまで成長できるという思いを届けられた実感があった」と振り返る。

 大会は本年度で72回を数える。県内の高校で教諭や講師として約50年、生活体験発表の指導に携わってきた高橋さんは「全国に出場した県勢で2年連続入賞した学校というのは聞いたことがない。これだけ頑張った生徒も初めてだ」とたたえた。

 昨年度の全国大会では、4年の高橋直也さん(20)が4位相当の読売新聞社賞を受賞した。水越さんは生徒会や陸上部で共に活動し、尊敬する先輩に並ぶという目標を掲げ、直也さんの助言も受けながら達成した。

 水越さんは「周りの人に支えられ、人前で恥ずかしがらずに話せるようになった。感謝の思いを直接伝え、恩返しをしていきたい」と真っすぐな瞳で話した。

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