指導改善へ 県東部教育事務所、プロジェクト展開 公開授業で成果共有
県東部教育事務所は本年度、学力向上指導員の教員がチームを組んで授業改善に取り組む「協働による授業づくりプロジェクト」を展開している。児童生徒が楽しみながら内容を理解し、達成感を得られる学びを目指し、より良い授業内容について検討。公開授業を通して成果を他教員とも共有し、地域全体の指導力向上につなげたい考え。
昨年度の全国学力・学習状況調査を踏まえた県の学力向上事業を管内でも広げようと、同事務所が初めて企画。県から委嘱を受けた指導員のうち有志16人が数学、音楽、体育、図画工作の4チームに分かれ、6月からオンラインなどで授業内容や指導法を検討してきた。
このうち数学チームは「相似の利用」をテーマに設定。日常生活に数学が役立つことを実感してもらおうと、体育館の高さを多様な手法で求める授業を練り上げた。チーム主幹の東松島市鳴瀬未来中の中鉢卓志教諭(48)は「それぞれの経験から指導方法をブラッシュアップした。生徒の関心を高め、自発的に計算に取り組む姿勢を育みたい」と意図を説明する。
11月6~22日には、管内の小中学校で教科別の公開授業を行った。数学は鳴瀬未来中で14日に実施。教員約20人が3年生の授業を視察した。
生徒らは複数のグループに分かれ、それぞれ別の計算方法で体育館の高さを求め、互いの説明を聞きながら手法の検討や修正をしたほか、感想や助言を述べ合った。
見学した石巻市万石浦中の佐藤昂教諭(32)は「教員側の事前準備、要点の伝え方のレベルが高いと感じた。指導経験を積み重ねることで、ポイントを絞った教えができると実感した」と感想を述べた。
同事務所は、プロジェクトの授業づくり概要や実践授業の様子などをまとめた動画を来年2月上旬までに制作。管内での研修会や学校訪問指導の際に活用し、成果の共有を進める。
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