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東松島出身の大内投手、シーズン「完走」 東北楽天1年目を総括 2軍10試合登板

秋季キャンプで投球練習に励む大内選手

 東松島市出身でプロ野球東北楽天に今季入団した大内誠弥投手がプロ1年目のシーズンを終えた。体づくりに力を入れながら、2軍のイースタン・リーグで10試合に登板するなど経験を積んだ。「あっという間だった。大きなけがをせず完走でき、1年目としては良いシーズンだった」と総括し、来季の飛躍を期す。

 リーグでは登板10試合のうち6試合で先発し、0勝1敗。投球回数は35回3分の1で、防御率は3.82、奪三振は13だった。

 初登板は4月23日、千葉ロッテ戦で先発を務めた。打者18人を相手に投げ、4回1失点に抑えた。チームは5-6で惜敗したが、初めて踏んだ公式戦のマウンドに「プロ選手と同じ場所で投げていることがうれしかった。試合をつくることもできた」と振り返る。

 1月の選手寮入寮後は全てが知識を吸収する日々だった。トレーニング以外に食事管理も力を入れ、入団当時80キロだった体重は84キロに増加。球速も最速144キロから148キロに上げた。

 試合を繰り返す中で、課題も明確になった。リーグ戦最終登板となった9月22日の巨人戦。東京ドームには約2万7000人の観客が詰めかけた。四回途中まで1失点に抑えていたが、足がつって降板した。

 今季は体力不足で早めにマウンドを降りる試合が何度かあった。「先発としてもっと長いイニングを投げないといけない」。直球の速度と回転数が足りず、三振も思うように奪えなかった。「変化球の制球力も課題。改めて自分のレベルを実感した」と話す。

 リーグ戦終了後の秋季キャンプでは自身の課題と向き合った。ランニングや投げ込みを中心に、疲れていても投げられる体力づくりに励んだ。オフシーズンもトレーニングを継続。「来年の春季キャンプに良い状態で臨みたい」と語る。

 1軍未登板ながらファンが多く、関東での試合にも駆けつけるという。「『石巻から来ました』と声をかけてくれる人もいる。応援してくれるのはありがたいし、うれしい。もっと見てもらえるように頑張りたい」

 2年目に向けては「体力を強化していく。2軍で先発ローテーションに入りたい」と目標を立て「チャンスがあれば1試合でも1軍で投げたい」と意気込む。
(相沢春花)

大内誠弥(おおうち・せいや)投手:2006年3月生まれ、東松島市赤井出身。191センチ、84キロ。右投げ右打ち。赤井南小1年で大曲ドリームズに加入し、矢本二中進学後は東松島リトルシニアに所属。日本ウェルネス宮城高では2年春からベンチ入りし、先発や救援で活躍した。昨年10月のドラフト会議で東北楽天に7位指名された。

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