海辺の暮らし、自分好みに 石巻マリンヴィレッジ完成 圏域初、住宅間垣根なし
公園のようなオープンスペースに住宅や宿泊施設が立ち並ぶ「石巻マリンヴィレッジ」が石巻市新館3丁目に一部完成し、6日に住宅の販売が始まった。海に近いエリアでサーフィンや釣りの愛好者に自分たち好みの暮らしを実現してもらおうと、住宅メーカー「あいホーム」(富谷市)が開発した。同社によると、分譲地で住宅間に垣根を設けず空間を共有する手法は珍しく、石巻地方では初めて。
マリンヴィレッジは敷地面積約1500平方メートルで、2階建て住宅6棟を建設した。趣味が同じで価値観の近い住民同士がコミュニティーを育みながら暮らすコンセプト。敷地境界に塀や柵を作らず、庭園の一部や通路を共有する。
サーフィンのウエットスーツや釣り道具を洗えるように、各住宅の外には温水シャワーを設置。共有のダイニングスペースもあり、屋外で食事をしたり釣った魚をさばいたりできる。
外観が木張りの住宅は、内装の汎用(はんよう)性が高く、ライフスタイルに合わせて設計が可能。敷地内にはリンゴやイチジク、ミカンなどの果樹を数多く植え、緑豊かな環境をつくる。価格は1棟3000万円前後。
6棟のうち1棟は簡易宿所として活用する。当面はモニターに利用してもらい、来年4月に本格稼働させる。マリンレジャーでの利用のほか、インバウンド(訪日客)の取り込みも想定する。今後はサウナを備えた宿泊施設2棟と賃貸向け住宅2棟を増設する計画。
ヴィレッジは神奈川県鎌倉市の不動産会社が各地で展開する事業を活用した。あいホームの伊藤謙社長(40)は「市場が縮小して売れ残りが多くなっていた。分譲用地の活用に悩み、新たな手法を探していた」と語る。
敷地を塀や柵で仕切らない開発は経験がなかったが「住民同士の価値観が近ければトラブルは起きにくく、その分スペースを共有できる」と強調。「石巻を起点に、地域に合った新しい暮らし方の提案を広げていきたい」と話した。
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