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師走点描 > 河北セリ収穫(石巻市馬鞍)

水に入り、青々と育ったセリを収穫する武山さん(右)ら

<冷たさに耐え、引き抜く>

 石巻市河北地区で江戸時代から栽培が続くとされるセリの収穫が盛期を迎えた。いしのまき農協セリ部会の生産者が水の冷たさに耐え、香り高い冬の味覚の収穫作業に励んでいる。

 同市馬鞍にある武山章夫さん(77)方の水田では10日、武山さんら3人が早朝から作業に当たった。水温12度の水に腰まで漬かり、根を傷つけないようセリの束を揺らしながら慎重に引き抜いた。

 収穫後は枯れ葉や生育の悪い葉を手作業で取り除き、井戸水にさらして丁寧に洗浄する。正月の雑煮用で需要が高まる年末は、1日100箱(1箱3キロ入り)を出荷する。

 今年は暑さの影響で収穫目安の45センチより長めに育ったという。風味に影響はなく、武山さんは「天ぷらで食べることが多いと思うが、生のセリをキムチとあえた一夜漬けもおすすめ」と話した。

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