「点字いしのまき」、500号に 市図書館と勉強会、発行 ニュースや支援情報掲載
石巻市図書館が発行する視覚障害者向け月間冊子「点字いしのまき」と「大文字いしのまき」が500号を突破した。点訳を手がける石巻点字勉強会の山本美智子会長(77)は「読者に情報を伝えたいという一心で、皆と協力して続けてこられた」と振り返る。(渋谷和香)
両冊子は1982年発刊。石巻かほくなどから抜粋したニュース、市内施設のイベント情報、視覚障害者向けの支援情報などを掲載している。約35ページ、記事は一つの目次につき1~5本で、購読無料。6月に500号に達した。
現在の読者は点字いしのまき10人、大文字いしのまき5人。それぞれ読者へ郵送される。
編集には視覚障害者2人を含むボランティアら9人が携わる。点訳は休日当番医の情報を会員1人、その他を山本さん1人で入力しており、パソコンを使って毎月15日程度をかける。「大文字」はパソコンで打ち込んだ文字を40ポイントに拡大し、漢字の読み仮名を付けて冊子に仕上げる。
単に訳すだけではなく、理解しやすさを心がける。今月4日に市図書館で行われた506号の編集会議には、点字勉強会の5人が集まった。分かりやすい助詞や漢字の読み方について意見を出し合った。
毎号発行してきたが、東日本大震災で市図書館が避難所になり、勉強会の会員が被災したため2011年3~9月号のみ休刊した。山本会長は「点訳の手引などが津波で流されたが、読者らのまた読みたいという声があったからなんとか続けられた」と話す。
発刊から42年。勉強会会員の高齢化が課題となっている。最高齢は84歳。山本会長は「これからも読者が文章を楽しめるよう後継者が必要。若い世代にも興味を持ってほしい」と訴える。
編集会議には点字に興味のある人なら誰でも参加できる。市図書館では、図書の文章を音声で再生できる「デイジー再生機」などの設備があり、音声でのサービスも行っている。
連絡先は市図書館0225(93)8635。
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