2024ニュース回顧 取材ノートから > シージェッター海斗、誕生20年 愛されるヒーロー定着
<石ノ森スピリット継承>
10月11日にあった全国地域安全運動の出動式で、石巻市のご当地ヒーロー「シージェッター海斗」が石巻署の一日署長を務めた。海斗が会場に登場すると、集まった子どもたちが駆け寄って取り囲み、一緒に写真を撮ったり握手をしたりしてヒーローとの交流を楽しんだ。
海斗は今年、デビュー20周年を迎えた。節目を記念して市内外で数多く開かれたイベントを取材する度、海斗がこの20年で地域に浸透し、ヒーローとして定着したことを実感した。
海斗は同市ゆかりの漫画家石ノ森章太郎氏(1938~98年)のラフ画の中にあった未発表キャラクター「鉄魔人シャドル」が原案。石ノ森氏のアシスタントを務めた漫画家の早瀬マサトさんがデザインし、2004年3月に誕生した。
石ノ森萬画館は今年1月20日、20周年の特設サイトを公開。海斗誕生の経緯や関連イベント、グッズ情報などを発信した。海斗が出演したイベントは年間約20本に上り、昨年の倍以上だった。
メイン行事の一つは9月14日に開催した「KAITO FES(カイトフェス)2024」。市内外から3000人以上が来場した。歌手の遠藤正明さん、影山ヒロノブさん、きただにひろしさんらが手がけた海斗の新曲発表や、ショーの新シナリオ上演などがあった。海斗の敵役に焦点を当てた写真撮影会には長蛇の列ができ、海斗の世界の新たな魅力発信につながったという。
オリジナルヒーローの節目を地域も盛り上げた。石巻工高(生徒536人)は10月の文化祭に合わせ、全生徒が参加して海斗のモザイクアートを制作。縦3.3メートル、横4.5メートルの迫力ある作品を完成させた。
萬画館を運営する街づくりまんぼう(石巻市)企画営業グループの高橋智之係長(42)は「石ノ森ファンには誕生時から応援してもらっていたが、20年の活動を通してそれ以外からの人気が高まった。多くの人に知ってもらっていることがうれしい」と語る。
目標は「石ノ森スピリット」を受け継ぐヒーローとして、石巻地方だけでなく、より多くの人々に愛される存在になること。「30、40年と認知度を高めていき、全国や世界に羽ばたかせたい」と高橋さん。今後の活躍にも注目したい。(渋谷和香)
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