大人の一歩、誓いと共に　石巻・桃生、54人が成人式

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　石巻市桃生地区の成人式が５日、県内で最も早く市桃生公民館で開かれた。振り袖やスーツに身を包んだ５４人が出席。二十歳の門出を祝い、周囲の人への恩返しや地域への貢献などを誓った。

　出席者を代表し、山形大２年の佐藤光さん（２０）＝米沢市＝と専門学校２年の鈴木佑唯さん（２０）＝東京都＝が「与えられる権利と義務の重要性を認識し、社会の発展のため行動するよう努力します」などと誓いの言葉を述べた。

　会社員の鈴木崇史さん（１９）と東北学院大２年の相沢彩那さん（２０）＝ともに石巻市＝は代表のメッセージを披露。鈴木さんは東日本大震災当時、大街道地区にあった自宅が津波で流された。近くの歩道橋に駆け上って逃れたが、２匹の愛犬は連れ出すことができず、失った。

　津波でおじも亡くした鈴木さんは「忘れもしない、忘れてはいけない。誰もが経験したことのないことを一度に味わった」と振り返り、「当たり前の生活をありがたいと思う気持ちを忘れず、大人への一歩を踏み出したい」と力強く語った。

　桃生地区では、正月に帰省した人が参加しやすいように１９６７年から毎年１月５日に成人式を開いている。市内の他の６地区は１２日に開催する。