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日本製紙×コバルトーレ 監督対談(下) 競技の枠超え、連携

対談後、がっちりと握手する葛野監督(左)と伊藤監督
日本製紙石巻・伊藤大造氏
コバルトーレ女川・葛野昌宏氏

 社会人野球の日本製紙石巻硬式野球部(石巻市)の伊藤大造監督(58)、東北社会人サッカーリーグ1部に所属するコバルトーレ女川(女川町)の葛野昌宏監督(49)の新春対談。今季のチーム目標について、伊藤氏は「二大大会(都市対抗、日本選手権)の8強入り」、葛野氏は「東北1部優勝、JFL(日本フットボールリーグ)昇格」とそれぞれ掲げた。ともに石巻地方で活動するトップレベルのアマチュアチームとして、今後、競技の垣根を越えて連携を深める方向で一致した。

-日本製紙、コバルトーレともに、地域の競技レベル向上に向けた活動に熱心に取り組んでいる。

 伊藤>毎年11月に開かれている「石巻野球フェスティバル」では、高校や大学の選手、プロ野球東北楽天と連携して野球体験会や技術指導などを行い、地元の子どもたちに競技の楽しさを教えている。地域のレベル向上につながれば-と考えている。 
 私は関西出身だが、昔と比べると、東北の野球レベルは大きく向上していると感じる。石巻地方でも徐々にではあるが、人工芝の球場など競技環境が充実してきた。高校野球では、昨年の秋季県大会で4強入りした石巻工など、甲子園出場のチャンスは十分にあると思う。 
 チームは通学児童の見守り活動も行っている。地域と積極的に関わりを持ちたいという会社の方針もあり、選手は熱心に取り組んでいる。

 葛野>チームの小中年代のアカデミー(育成部門)で育った地元出身選手が昨季、東北社会人1部リーグでチームの得点王になった。 
 こうした地元選手の育成に力を注ぐだけではなく、WACK女川スタジアムで行われるホームゲームでは、ハーフタイムに地元のダンスや伝統芸能などの団体に出演してもらっている。チームが将来的なJリーグ入りを目指す上で、こうした地域とのつながりは不可欠と考えている。 
 われわれクラブチームと小中学校などは大会が別々なこともあり、現状、なかなか交流の機会がない。一方、J2ベガルタ仙台はスタッフを仙台大に派遣するなどしている。コバルトーレも環境が整えば、地元の競技環境の活性化に向け、サッカー指導者同士の交流みたいなものができればと考えている。

昨季の東北社会人リーグ1部の試合で、交代選手に指示を出す葛野監督(左端)=2024年9月15日
都市対抗野球の第2代表決定戦を制して喜ぶ日本製紙石巻の選手ら。今季は本大会8強入りを目指す=2024年6月12日

-今季の目標は。

 伊藤>昨季は届かなかった二大大会の8強入り。今年はいい新人も入るので、ぜひ期待してほしい。都市対抗、日本選手権ともにこれまで連続出場がなかったので、ぜひ達成して勝ち進みたい。

 葛野>東北1部を制覇し、JFLに昇格する。昨季はJ1で登別大谷高(現・北海道大谷室蘭高)の先輩、黒田剛監督(54)の町田が3位になり、大いに刺激を受けた。勝利のため細部まで突き詰めた指導は本当にすごいと感じた。自分も頑張りたい。

-両監督は今回の対談が初対面とか。

 伊藤>今までコバルトーレさんとは交流がなかった。いつか試合を見に行きたい。石巻と女川にまつわる両チーム共通のマスコットキャラクターを考えるなど、連携できる部分もあるのではないか。

 葛野>自分はもともと野球少年だった。それだけに個人的には、日本製紙さんの投手の球速を間近で体感できるようなイベントなどがあったらいいなと思っている。

 伊藤>じゃあ一度(サッカーと野球で)一緒にやりましょうか。

 葛野>そうですね。よろしくお願いします。

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