(1108)凍つる夜の白湯(さゆ)を甘しと陀羅尼助(だらにすけ)/高橋睦郎(1937年~)
「陀羅尼助」は古くからある和漢胃腸薬。小粒で黒くて苦い。名前の由来は一説に、僧が「陀羅尼」という長い呪文を唱える時に眠気を防ぐため口に含んだことによる。体調を崩してしまったいてつく冬の夜、白湯で薬を…
関連リンク
- ・(1107)大寒のおほきな口が開いてゐる/小田島渚(1973年~)
- ・(1106)水の面の寒にあらがふ石つぶて/石崎径子(1928~2022年)
- ・(1105)枯草や住居無くんば命熱し/永田耕衣(1900~1997年)
- ・(1104)日向ぼこ空腹にして満腹/渡辺誠一郎(1950年~)
- ・(1103)星屑のごとく寒肥撒いてゆく/青木ともじ(1994年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。