起業に本気、4人が決意 支援プログラムに参加、ビジネスプラン最終報告 女川
女川町のNPO法人アスヘノキボウは19日、地方での起業を支援する事業「第17回創業本気プログラム」の最終報告会を女川駅前の複合施設「女川フューチャーセンター・カマス」で開いた。約3カ月間の研修を終えた4人は、町民ら約30人に起業に向けた自身のビジネスプランを発表した。
4人は昨年10月から、オンラインと対面でのプログラムに計6回参加。専門家らから、プランの構築や資金・事業計画の作成方法など、起業に必要な知識を身に付けてきた。
旅行がきっかけで2023年に女川に移住した坂本奈々さん(23)=北海道江別市出身=は、女川の魅力を伝え、ファンを増やすゲストハウスの開業を目指す。宿のコンセプトや料金価格などをプレゼンテーション。開業後3年の収支計画などを説明した。坂本さんは「町をアピールし、『楽しかった。また来たい』と思ってもらえるゲストハウスにする。関係人口の創出を大切にしたい」と話した。
高級食材として知られるトリガイの種苗生産センターを実現するために、同町の地域おこし協力隊員になった長谷川翔亮さん(30)=千葉市出身=は「プログラムで黒字化に向けた話など、具体的に起業に必要なことを学ぶことができた」と手応えを実感。「事業を進めていくことも重要だが、なにより町の人とのつながりをつくることができて良かった」と話した。
2人以外にも、長谷川さんと同じく地域おこし協力隊の太田悠介さん(仙台市出身)は、廃棄される魚の皮を活用する「フィッシュレザー」商品の生産と販売を目標にする。リモートワークをしながら、女川で子育てに奮闘する芳岡千裕さん(京都府出身)は、都市部に住む親子が一緒に楽しめる教育旅行プログラムの開発を目指す。
創業本気プログラムは15年11月に始まった。これまで58人が参加し、うち36人が起業を実現させた。
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