伝承託し絵はがき寄贈 震災遺構「門脇小」管理グループ、石巻小に300セット
石巻市の東日本大震災遺構「門脇小」などを運営する市震災遺構指定管理グループは17日、遺構となった旧門脇小校舎などをモチーフにした5枚組みの絵はがき300セットを市石巻小に寄贈した。
グループの代表団体である一般社団法人石巻伝承の会(石巻市)の大須武則代表理事と、絵はがきをデザインした東松島市赤井のグラフィックデザイナー上野恵美さんが石巻小を訪れ、全児童256人と教職員分の絵はがきを新井雅行校長と6年の代表児童に手渡した。
大須代表理事は「遺構を訪れて感じたことや大切な人への思いを絵はがきに書いて伝えてほしい。家庭で震災について話すきっかけにもなればいい」と語った。
門脇小は震災の津波と火災で被災。2015年4月に石巻小と統合された。兄が門脇小出身という6年斎藤聖憲さん(12)は「外からしか見たことがないので、次は兄が過ごした教室も見てみたい。絵はがきでお母さんやおばあちゃんに日ごろの感謝も伝えたい」と話した。
大須代表理事らは同日、遺構のある同市門脇町の「かどのわき町内会」にも全世帯分の210セットを贈った。
絵はがきは昨年12月、遺構の見学者に震災に関する学びや思いを絵はがきに書いて伝えてもらおうと、同グループが制作、発売。震災前の門脇小や地域の記憶をデザインした。卒業生で画家の柴田滋紀さんが学校行事や地域の風景を描いた3種と、外観や敷地内で被災した樹木を写した写真を用いた2種の計5種がある。
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