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地元産ヨシで卒業証書 北上小5年生が和紙作り 石川の遠見さん、今年も指導

遠見さん(中央左)の指導で紙すきに挑戦する児童

 石巻市北上小の5年生15人が22日、地元の北上川で刈ったヨシを使い、自身の卒業証書となる和紙作りに取り組んだ。昨年元日の能登半島地震で被災した石川県輪島市の和紙職人の遠見和之さん(52)が今年も指導に駆け付け、児童の思い出づくりに一役買った。

 和紙作りは同校5年生の恒例行事。児童らはヨシの繊維や水などを混ぜた紙料を「桁(けた)」という型枠ですくい、厚さが均等になるよう静かに揺すって整えた。

 和紙はA3判大。遠見さんが持ち帰って工房で乾燥させ、来年3月の卒業式で児童に手渡される。田口大智さん(11)は「緊張したけれど、うまくできた。自分たちが刈り取ったヨシが卒業証書になるのは楽しみ」と期待を込めた。

 遠見さんは2014年度から同校で和紙作りを指導する。昨年は能登半島地震で工房が被災し、9月の記録的豪雨で工房が浸水するなど逆境が続いた。和紙の生産量は今も被災前の半分程度という。

 それでもこの日、「児童のものづくりに関わることは大事」と駆け付け、紙すきを通じて交流を深めた。「担い手が減る中、児童に和紙の知識を伝えたい。地元にヨシという良い素材もあるので、これからも和紙作りに協力していきたい」と力を込めた。

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