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東松島ビール、醸造開始 野蒜ケ丘で仕込み式 地元食材活用、3月販売へ

タンクに麦芽を投入する大谷さん
3月下旬から市内などで販売するビール。若者への訴求力もあるデザインに仕上げた

 東松島市産の「希望の大麦」と地場食材を原料にしたクラフトビールの醸造が24日、同市野蒜ケ丘3丁目の「野蒜ケ丘サスティナブルコモンズ」内で始まった。醸造所「大地と海のカンパネラBrewing」が製造する。代表で市地域おこし協力隊員の大谷直也さん(40)は「大麦の味をダイレクトに味わえるビールを造り、地域の1次産業を活発化したい」と意気込む。

 現地で仕込み式があり、タンクに大麦と麦芽計約100キロを投入した。味と香りを加える副材料にも市内産の農作物や魚介を使う。市内の行政区などから名前を取り、古代ギリシャのオリンポス12神をそれぞれのコンセプトにした12種類を順次発売する。

 第1弾は旗艦商品の「東松島ドルトムンダー デメテル」と、ともに同市の農業法人、めぐいーとの米を副材料にした「矢本ペールエール アテナ」、アグリードなるせの小麦を使った「野蒜ヴァイス ヘラ」の3種類。

 2月8日からコモンズ内の「ビアベースカンパネラ」でテスト提供し、3月下旬に市内の酒店や道の駅「東松島」などで販売する。行政区名を付けた商品は販路を市内に限定し、希少性を高める。25日にはクラウドファンディングで第1弾3種の先行販売も始める。

 大谷さんは神奈川県出身。アサヒ飲料の社員だった2019年から2年間、復興庁の事業で一般社団法人東松島みらいとし機構に出向。東日本大震災の津波に遭った畑で大麦を育てる「希望の大麦プロジェクト」に携わった。21年、ビール製造販売の事業化を目指して協力隊員に就いた。

 大谷さんは「地名を使った商品なので、住んでいる皆さんと一緒に造るビールにしないといけない。『この町この味』と言えるおいしさを造り上げたい」と語った。

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