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「若冲」で石巻中心街活性化 レプリカ美術館、きょうオープン 30点、無料公開

伊藤若冲の作品が並ぶレプリカ美術館

 石巻商工会議所青年部のOBを中心とした有志が25日、江戸時代の画家伊藤若冲の作品の複製を集めた「レプリカ美術館」を石巻市中央2丁目の空き店舗にオープンさせる。人気の高い絵師の作品を無料で鑑賞できる場所をつくり、空洞化する中心市街地に地域住民や観光客を呼び込みたい考え。

 有志でつくる実行委員会が主催する。展示するのは若冲の代表作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」で、実行委が購入した。鶏や魚、草木などを極彩色で写実的に描いた全30点がそろう。額を含む1点の大きさは縦52センチ、横42センチ。

 アイトピア通りの空きテナント(旧秀丸屋)を借り、展示場所に活用した。絵は、同市の今野梱包(こんぽう)が製作した段ボール製のイーゼルに飾る。各作品には解説文を付けた。

 若冲は海外でも評価が高く、インバウンド(訪日客)の来場も想定して英訳文も添えた。翻訳は英国出身で市東日本大震災遺構「門脇小」館長のリチャード・ハルバーシュタットさんが担った。

 石巻商議所青年部は2009年にもレプリカ美術館を開催した。歌川広重の「東海道五十三次」全55点を商店街の各店舗に飾り、買い物客らの回遊を促した。

 当時の青年部会長で、今回実行委員長を務める青木八州石巻商議所会頭は「良い企画だったので、またやってみようと思った。精緻に描かれた絵を解説文を読みながら楽しんでほしい。商店街の活性化に少しでもつながれば」と期待する。

 終了時期は未定で、作品を入れ替えた第2弾も検討する。開館時間は午前10時~午後4時。日曜、祝日は休館。観覧料は無料。会場で寄付を募る。

 初日は午前10時から開館セレモニーがあり、終了後に一般客向けにオープンする。

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