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「ホーホー」奇声、息災祈願 桃生で伝統の「初午」 道化や獅子頭、邪気払う

道化に扮し、地区内を巡る若者ら

 石巻市桃生町寺崎地区で2日、伝統行事「初午(はつうま)」があった。道化や獅子などに扮(ふん)した若者が奇声を上げながら練り歩き、住民の無病息災や防火を祈願した。

 寺崎法印神楽保存会のメンバーら20~70代の約20人が二手に分かれ、地区の約230戸を巡った。面を着けた道化役が「ホーホー」と声を上げながら家に上がり込み、サカキの枝を振って玄関や台所などを清めた。獅子頭は住民らの頭をかみ、邪気を払った。

 寺崎地区出身の佐藤杏奈さん(30)=石巻市須江=は毎年、初午に合わせて家族で帰省しているという。獅子頭におびえる息子の禅ちゃん(2)をあやしながら、「自分も子どもの頃は大泣きしたな」と笑顔。「地元の大切な行事をこれからも息子に体験させてあげたい」と語った。

 寺崎地区では明治時代に大火があり、初午は火伏せのため始まったとされる。新型コロナウイルス禍による中止を経て昨年、4年ぶりに行われた。保存会の高橋義一会長(76)は「中止が続けば伝承が危ぶまれるだけに、今年も無事に開催できて良かった。地域の活気が失われないよう、伝統の行事を守っていく」と力を込めた。

獅子頭の迫力におびえる子ども

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