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京ケ森風力発電計画、事業者が住民説明会 災害への懸念相次ぐ 石巻、女川

災害への影響などに懸念の声が上がった説明会

 石巻市と女川町境の周辺の山林で「(仮称)京ケ森風力発電事業」を計画するHSE(茨城県日立市)が1、2の両日、両市町で住民を対象にした説明会を開いた。1日に石巻中央公民館であった説明会には住民30人が参加し、土砂災害や騒音などを懸念する意見が相次いだ。

 HSEは、環境影響評価の結果や事業計画を説明した。住民は、2019年の台風19号の際、計画地周辺で床上浸水が多発した経験から、風車設置に伴う伐採や掘削の影響を不安視。「異常気象が増えている。作らない方が安全だ」「濁水は発生しないという予測を示しているが、想定の降水量が少な過ぎる」などの意見が上がった。

 HSEの青井貴裕事業開発第二部長ら担当者が回答し「事業は計画段階で、県と協議していく」と述べた。騒音の懸念については「稼働後に住民に聞き取り、気になる場合は回転数を落とすなどして低減する」と答えた。

 計画では、雄勝峠と京ケ森、黒森山を結ぶエリア計20.5ヘクタールに、高さ約170メートルの風車を15基設置する。総出力は6万3900キロワット。26年4月の着工と、30年3月の運転開始を目指す。発電した電力は地元の企業や工場に供給したい考え。地域貢献として、シカ対策の電柵設置費の支援などを検討しているという。

 同社は計画の概要を示した環境影響評価準備書の縦覧を17日まで実施している。石巻市役所や河北、雄勝、北上の各総合支所、渡波、稲井の両支所、女川町役場、県庁のほか、同社ホームページで公開している。2~5月には周辺地域10カ所程度で説明会を開く予定。同社グループは全国28カ所で風力発電所を運営している。

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