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青森産ホタテの貝殻、やさしい洗剤になりました 衣類は臭わず野菜も安全に 弘前の雑貨店が考案

青森県産ホタテの貝殻を原料にした洗浄パウダー「ほたてのめがみ」

 青森県産ホタテを加工する際に出る、貝殻のみを原料にしたマルチ洗浄パウダー「ほたてのめがみ」が注目を集めている。産業廃棄物となっていた貝殻を資源として再利用した。人にも環境にも優しい洗剤として人気が高まっている。

 東日本大震災を機に地元の青森県弘前市に戻り、無添加商品を取り扱う雑貨店「バンブーフォレスト」を開いた店主の竹森幹さん(43)が考案した。

 同県平内町の加工業者から回収した貝殻を高温で焼き、白い粉末にした無添加洗剤。有害な化学物質を一切含んでおらず、乳児やペットがいる家庭でも安心して使えるのが特徴だ。

 洗濯用洗剤として使うと生乾きの臭いを抑えられ、洗濯槽や配水管の中まできれいにできる。

 水に溶かして液体スプレーにすると、家中の掃除に使える。口に入れても安全なので、野菜や果物を洗う際に使えば、表面に付着した細菌や農薬を分解することもできるという。

ホタテの貝殻を原料にした洗浄パウダー「ほたてのめがみ」を商品化した竹森さん

 2023年6月に発売して以降、都心部を中心に注文が相次ぐ。今月12~14日には、都内で開かれる大型展示会に初めて出店する。

 竹森さんは「若い層を中心にサステナブルへの意識が高く、関心を持たれている。産業廃棄物となっていた地元の課題を、県内のサイクルで解決できたらうれしい」と語った。

 200グラム入り1210円。バンブーフォレストのほか、東北スタンダードマーケット(仙台市青葉区)など全国27店で販売している。連絡先は0172(35)4520。

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