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救急出動9993件、過去2番目 石巻地方2024年まとめ 65歳以上が7割

出動に備える救急車両。石巻管内では65歳以上の救急搬送が増加傾向にある

 石巻地区消防本部はこのほど、2024年の救急出動件数をまとめた。前年比274件減の9993件で、過去最多だった23年の1万267件に次いで2番目に多かった。高齢化の進行で、救急搬送人員全体の7割以上を65歳以上が占めており、全体の数字を押し上げている形だ。

 出動種別では、急病が6950件(前年比311件減)と最多で、転院搬送1196件(48件増)、転倒などの一般負傷1194件(52件増)が続いた。

 搬送人員のうち、65歳以上の高齢者は6599人で全体の71.7%を占め、23年の6515人(68.1%)を上回った。65歳未満が減少傾向なのとは対照的に、年々増加している。消防本部警防課の高橋晃嗣救急係長は「人口が減少する一方、高齢者の比率が高くなっているので、搬送人員に占める割合も必然的に高くなる」と分析する。

 高齢者の119番通報では、症状が悪化するまで我慢するケースが多いのが特徴という。高橋係長は「ろれつが回らない、胸が苦しいなど、違和感や異変があれば迷わず救急車を呼んでほしい」と語る。

 熱中症による出動は60件(5~10月)で、前年の128件から大幅に減った。内訳は、3週間以上の入院が必要な重症が1人(前年同)、短期入院が必要な中等症27人(31人減)、軽症32人(37人減)。学校などの集団発生はなかった。出動件数の半減について消防は、近年の猛暑を受け住民がそれぞれ対策に取り組んだためとみている。

 消防によると、緊急性がないか低い症状での119番通報もみられる。救急車の適正な利用につなげようと、けがや急病など救急車の要請に迷った時は「おとな救急電話相談」(#7119)、15歳未満向けの「こども夜間安心コール」(#8000)などを利用するよう呼びかけている。

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