「電気系」注意、消防が呼びかけ 石巻地方2024年火災49件、死傷者15人
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石巻地区消防本部は、2024年の管内の火災発生状況をまとめた。総件数は49件で昨年から6件減少。原因別では、野外でごみを燃やす「野焼き」などの火が広がって消防車が出動したケースや、配線器具にほこりなどが付くことで発火する「トラッキング現象」の発生が目立っており、注意を呼びかけている。
管内では昨年、建物火災26件(前年比2件減)、枯れ草やごみが燃えるなどした、その他火災15件(同1件増)、車両火災7件(同5件減)、林野火災1件(同1件増)が発生。総件数は近年、横ばい傾向が続いている。
死者は3人。前年から1人減ったものの、負傷者は12人で6人増えた。
出火原因の内訳は、ごみなどを燃やしたことによる「たき火」や「火入れ」が7件で、原因不明なものを除いて最多だった。配線などから出火した「電気火災」が4件で続いた。
野焼きは原則、法律で禁止されている。同消防本部予防課の浮津貴光課長補佐は「ごみを適切に処理すれば起こらない火災。石巻地方では、こうした行為による火災の割合が高い」と指摘。火の勢いや風の強さを見誤ると大きな火災につながる危険性があるため「発見した際はすぐに通報してほしい」と訴える。
電気火災は、コンセント付近にたまったほこりや水分によるトラッキング現象などが原因とみられる。同消防本部によると、同現象による火災は全国で増加傾向にあるという。電源を複数の差し込み口に分ける「テーブルタップ」やコードなどからの出火のほか、リチウム電池や充電式電池(モバイルバッテリー)が原因になることもある。
浮津課長補佐は「電池を機械などに入れたまま使用しないと電池が劣化して液漏れすることがあり、火災の原因になる。モバイルバッテリーなどは、過充電や落下による破損などで出火することもある。適正な利用を心がけて」と話す。
同消防本部はこのほか、冬場のストーブやこたつの正しい利用法についても注意するよう求めている。就寝時や外出時は電源を切り、電源プラグをコンセントから抜くことや、壁や可燃物から離れた場所に設置するなどの対策が必要。ストーブの給油時は必ず電源を切ってから作業し、給油後も、油漏れがないか確認を徹底してほしいという。
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