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いしのまき食探見 > 長ネギ 越冬栽培で甘さ際立つ

ベルトコンベヤーが付いた専用の機械で長ネギを収穫する本田さん
長ネギとちくわを千切りにしたあえ物。かむほどに感じるネギの甘みに驚いた

 海と山とで育まれる豊かな石巻地方の食材。伝わる文化と技を生かした郷土の「食」を紹介する。

長ネギ

 脇役にも主役にもなる万能食材の長ネギ。1年を通してさまざまな味わい方が楽しめる、食卓になくてはならない存在だ。

 父の代から50年以上、長ネギを生産しているやもと長葱(ねぎ)生産組合の本田正伸副組合長(44)は東松島市赤井の畑1200アールで長ネギを育てている。寒さに強い「森の奏(かな)で」が収穫期を迎えた。

 「森の奏で」は3月に栽培を始める。地中で育つ白い部分が太くなるよう、ネギに土をかける頻度を減らしながら成長を調節。11月ごろには出荷できる長さになるがあえて収穫しない。「越冬ネギ」として翌年1月に収穫を始める。

 越冬ネギの栽培は今年で2年目。近年の暖冬を受け、土が凍らなくなったことで栽培が可能になった。ネギは「寒さで凍らないように」と自らの糖度を上げ、甘みが強くなるのが特長だ。

 本田さんお勧めの食べ方は、生の長ネギとちくわのあえ物。長ネギ1本とちくわ2本を好みでみじん切りや千切りにし、ごま油と塩こしょうのみのシンプルな味付けで頂く。シャキシャキとした食感と甘さ、特有のピリッとした刺激が楽しめる。

 本田さんは「畑で約10カ月も育ててきた。今の時季が一番甘いので、ぜひ多くの人に楽しんでほしい」と話した。(渋谷和香)

<メモ> 
 いしのまき農協のやもと長葱生産組合には東松島市内外の生産者37人が所属。年間約450トンの長ネギを出荷し、月別では12月が最も多い。地方卸売市場の「いしのまき青果」「仙台あおば青果」「丸果秋田県青果」を経て、各量販店などから家庭へ届けられる。

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