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外国人労働者、石巻地方で1500人超 震災前の約3倍 建設や福祉など業種拡大

 宮城労働局がまとめた2024年10月末時点の石巻地方で働く外国人労働者数は、前年比9.9%増の1646人で、初めて1500人を超えた。企業の届け出が義務化された07年以降の最多を3年連続で更新した。人手不足を埋める貴重な労働力となっており、東日本大震災前の3倍近くに達した。

 石巻地方の外国人労働者数の推移はグラフの通り。震災の影響で11年に激減して以降、徐々に回復。21年は新型コロナウイルス感染拡大による出入国制限で10年ぶりに減少したが、22年から再び右肩上がりになっている。

 県全体は1万9554人で、同じく3年連続で最多を更新した。職業安定所(ハローワーク)別では、仙台管内が1万3806人で全体の70.6%を占めた。石巻は2番目の多さで8.4%だった。

 石巻地方の在留資格別では「専門的・技術的分野の在留資格」が前年比41.1%増の456人。うち19年度に制度化された「特定技能」は51.3%増の398人と大きく増えた。「技能実習」は最多の972人で全体の59.1%を占めたが、前年比はプラス1.4%と微増だった。3年間の技能実習を経て、最長5年で即戦力人材の特定技能に移行した人が一定数いたとみられる。

 留学生のアルバイトなどの「資格外活動」が県全体では30.9%を占め最も多かった一方、石巻地方では4人減の9人で全体の0.5%にとどまった。

 業種別では、水産加工業など食品を含む製造が1033人(62.8%)で最も多かった。次いで建設が144人(8.7%)、卸売り・小売りが110人(6.7%)、医療・福祉が107人(6.5%)、宿泊・飲食サービスが23人(1.4%)だった。

 県全体の国籍別では、ベトナムが4873人で最多。ネパールが3470人、中国が2215人、インドネシアが2206人で続いた。ハローワーク石巻によると、石巻管内ではベトナム、インドネシア、ミャンマーの順に多かった。

 ハローワーク石巻の担当者は「事業所からは『日本人が入ってこない』という声をよく聞き、外国人に頼るしかない状況だ。水産加工だけでなく建設や漁業、介護、看護の分野にも広がっており、増加傾向は今後も続くのではないか」と話した。

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