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関連死防ぐ「TKB48」 避難所の環境改善考える 石巻で町内会役員ら研修

研修会で段ボールベッドを組み立てる参加者

 災害時の避難所の設営や運営をテーマにした研修会が1日、石巻市震災遺構「門脇小」で開かれた。市内の町内会役員など約30人が参加。専門家の講話に耳を傾け、避難所の環境改善について考えた。

 門脇小を運営する市震災遺構指定管理グループが主催。一般社団法人「避難所・避難生活学会」代表理事の植田信策・石巻赤十字病院副院長が講話した。

 植田副院長は、災害関連死を防ぐには、清潔なトイレ(T)、温かい食事を提供するキッチン(K)、雑魚寝を防ぐベッド(B)を48時間以内に整える「TKB48」が必要-と強調。

 能登半島地震の被災地で医療支援に当たった経験を踏まえ、食事の重要性について「おにぎりや菓子パンが続くと、被災者の栄養不足や食欲低下を招く」とも指摘。その上で「避難所に不満があっても、実際に声を上げないと運営は改善されない」と話した。

 講話後、参加者は段ボールベッドの組み立てに挑戦。完成したベッドの寝心地や強度を確かめていた。

 参加した石巻市雄勝地区会長会の高橋守次会長(79)は「避難所は自分たちの居場所になるので、行政職員やボランティアに任せきりにせず、各自できることをしないといけないと分かった」と話した。

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