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捕鯨、見て聞いて学習 「探訪ツアー」に親子ら38人 石巻・鮎川浜

解体場に展示されたクジラの全身骨格に見入る参加者

 国内有数の捕鯨基地として栄えた石巻市鮎川浜で1、2の両日、市など主催の「石巻くじら探訪ツアー」があった。2日間で親子連れなど計38人が参加。普段は立ち入ることができない捕鯨船の船内や解体場を巡り、地域に息づくクジラ文化や漁業者が捕鯨にかける思いに触れた。

 子どもたちに捕鯨やクジラ食の文化を知ってもらおうと、市や捕鯨会社などでつくる協議会が実施しており、3回目。参加者はバスで鮎川浜に移動後、漁港に停泊する捕鯨船「第51純友丸」(30トン)や地元の「鮎川捕鯨」の解体場などを見学して回った。

捕鯨船の乗組員から説明を受け、捕鯨砲を間近で見学した

 第51純友丸では、船を所有する外房捕鯨=千葉県南房総市=鮎川事業所の乗組員が船内を案内。捕鯨砲の射程が約45メートルあり、水面から高さ12メートルの「トップマスト」から望遠鏡でクジラを探すことなど、漁がどのように行われるか分かりやすく説明した。

 鮎川捕鯨を訪れた参加者は、大包丁などクジラ解体の道具を手に取り、その重さを体感していた。伊藤信之社長は、東日本大震災で捕鯨船や施設に大きな被害が出たことを振り返り「会社をやめたいとも思ったが、クジラ文化を残したい一心で、その年の秋に漁を再開した」と語った。

 おしかホエールランドでは、学芸員がクジラの生態について解説した。父智也さん(44)と参加した蛇田小5年の阿部壱馬さんは「クジラがイルカと同じ仲間で、種類によって歯やひげに違いがあることが分かった」と関心を寄せていた。

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