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クジラ食文化、守ろう NPO「海のくに・日本」、鮎川小で出前授業

鮎川地区の捕鯨の歴史について児童に説明する白石理事長(左)

 日本の魚食文化を伝える活動に取り組むNPO法人「海のくに・日本」(東京)は24日、石巻市鮎川小(児童8人)で出前授業を行った。参加した児童は、全国屈指の捕鯨基地として栄えた鮎川地区の歴史や、クジラ食の文化を守っていく大切さを学んだ。

 同団体は全国各地で出前授業を行っている。白石ユリ子理事長(91)はこれまで捕鯨の会議などで何度か鮎川を訪れており、子どもたちに地元のクジラ文化を学んでもらおうと今回、出前授業を打診した。

 「クジラから世界が見える」と題した授業で白石理事長は、捕鯨最盛期の鮎川の様子を「クジラを解体すると住民がバケツを持って集まり、肉をもらっていた」と説明。内臓や皮、骨まで余すことなく大切に活用してきたことも解説した。

 国際捕鯨委員会(IWC)で、日本などの捕鯨国とクジラを食べない国が対立してきた経緯にも言及。それぞれ独自の食文化があるとして「日本だけが正義ではなく(クジラを捕るなという)反捕鯨国の言い分も正しい」と指摘した。

 その上で、日本は捕獲可能なクジラの数など科学的データをしっかりと積み上げた上で商業捕鯨を行っている-と主張。「クジラは何千年も前から受け継がれてきた日本の大切な食文化。守っていかなくてはならない」と強調した。

 参加した児童6人のうち、6年阿部慧冬(けいと)さんは「クジラを巡って日本がほかの国と争っているのは知っていたが、背景にそれぞれの食生活があると分かった」と感想を述べた。同団体は23日、女川町の女川中でも出前授業を行った。

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