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制服バンク、石巻に広がり PTA有志が万石浦リユース部 29日に回収、譲渡会

制服の提供や希望者の気軽な利用を呼びかける土田さん

 卒業、転校などで不用になった制服を提供してもらい、希望者に譲渡する「制服バンク」が石巻地方で広がっている。万石浦小・中学校区ではPTA有志でつくる団体「万石浦リユース部」が活動。制服を融通できるつながりのない家庭に利用を呼びかける。29日には無償回収、譲渡会を石巻市後生橋のみやぎ生協石巻渡波店で開く。午前10時~午後3時。

 昨年2月にスタートし、PTAの5人が活動に取り組む。万石浦中のブレザーやワイシャツ、小中学校の体操着などが対象。小学校の入学式、卒業式で使うスーツも扱うほか、ランドセルとスクールバッグも状態を確認して回収している。

 代表の土田順子さん(43)は「物価高騰の影響もあり、制服や学用品を一式そろえる費用は10万円を超える」と話す。「子どもの中学入学時、おさがりをもらえるつながりがなくて大変な思いをした」と言い、自身の経験を基に有志と活動を立ち上げた。

 譲渡の要望が多いのは中学のブレザー。サイズが合わなくなったり破損したりして、上下いずれかだけを求める利用者もいるという。一方で「既に親同士で関係性ができているのか、ブレザーの提供は少ない。特に大きなサイズが足りない」と土田さんは訴える。

 提供してもらうハードルを少しでも下げようと、クリーニング費は団体で負担。譲渡を受ける際も試着する必要はない。サイズが合わなかった場合は万石浦小中に常設している回収ボックスへの返却か、定期開催する回収、譲渡会での持参を呼びかける。

 土田さんは「制服が必要な方に届いてほしい。他の学校にも取り組みが広がればうれしい」と話した。

 制服バンクは、市河南東中も取り組む。同校のコミュニティ・スクール(学校運営協議会)は学校行事などで活動。石巻地方の子育て支援団体や子ども食堂などでつくる「石巻圏域こども食堂連絡会議」は、2023年から生活保護世帯やひとり親世帯などを対象に実施している。

 万石浦リユース部の回収、譲渡会は毎月第2土曜、みやぎ生協渡波店2階で開かれる。午前10時~午後3時。連絡先は080(3324)2664。

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