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女川町議会3月定例会 町長が所信表明 出島大橋効果に期待

施政方針演説を行う須田町長

 女川町議会3月定例会は5日、本会議を開き、須田善明町長が施政方針の所信を表明した。町長はこの1年間の町の動きの一つとして、出島大橋の開通を挙げ「島民をはじめ多くの人のおかげで橋が架かった」と感謝し「島が提供してくれるさまざまな価値は、町に活力増進をもたらしてくれるはずだ」と語った。

 町は釣り客らにマナーを守ってもらうための看板設置などを進めるほか、漁業の生産拠点としての価値を維持、向上させるため、関係者と連携していく。

 防災を中心とした原子力関連施策については、東北電力女川原発2号機の再稼働を取り上げた。「事業者に安全運転を求めるのはもちろん、国や県にも防災の主体的なプレーヤーだと強く訴えている。引き続き、避難インフラの新設・改良や強靱化(きょうじんか)、ソフト対策の強化を求める」と強調した。

 本会議では2025年度一般会計当初予算案など7議案を予算審査特別委員会に付託した。

施政方針要旨

<サバ養殖の実験着手>

 近年の海水温上昇に伴う養殖魚種の不漁を受け、町の基幹産業である水産分野で、サバの海面養殖の実証実験を始める。2025年度にいけすを整備し、26年度から養殖を開始する予定。行政の直営試験ではサバがメインになるが、漁業者や民間企業などの取り組みも支援したい。

 漁港や魚市場といった関係施設の整備も引き続き取り組み、町産品のブランド化やプロモーションを産業界と連携していく。

 観光面では女川漁港内にビジターバースを整備する。海岸広場にはまちづくり会社がキャビンとサウナを開業させることから、にぎわいが生まれるだろう。山中を駆け巡るトレイルの需要も増えたため、新たな取り組みや動きにも町としてうまく対応していく。

 観光施策とも連動する内容として、26年に町制施行100周年を迎えることも挙げたい。新年度具体案をまとめるが、女川の復興を支えてくれた派遣職員や工事関係者などを呼んだり、町民同士が慰労し合えたりする場を設けたい。

 社会基盤整備については住宅などの水道利用量を通信機能で把握する「スマートメーター」を導入。漏水の早期把握や居住者の見守り的機能など業務効率化以外の効果も期待される。今後も上下水道の維持管理と向上に努め、大事なライフラインを守っていく。

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