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初代マンガッタンライナーとパチリ 惜別の思い込め、武川さん写真展 石巻

マンガッタンライナーの思い出を集めた写真展=JR石巻駅

 JR仙石線の初代「マンガッタンライナー」が23日、22年間の運行を終える。「マンガの街」のシンボルとして愛された列車への思いを形にしようと、石巻市旭町の鉄道写真家武川健太さん(31)が写真展「みんなのマンガッタンライナー」をJR石巻駅と石ノ森萬画館(石巻市中瀬)で開いている。車両と共に写真に納まる市民や関係者ら約100人の笑顔が、ラストランに花を添える。

 展示写真は、武川さんが同列車に思いを寄せる市民を募り、今年2月に実施した撮影会での作品。石巻駅の車両前でほほ笑む親子連れや、一眼レフを携えた少年らを切り取ったものなど、両会場それぞれ30点を今月末まで並べている。

 各作品には「ライナーの撮影会で仲良くなった」「念願の仙石線の運転士になってライナーを運転」など、被写体となった人々にまつわるエピソードが添えられている。

 会場を訪れた女川町のパート従業員女性(49)は「(同列車を)街中で走行中に見かけるとうれしくなる。写真で見て、改めてかわいらしい車両だなと感じた」と話していた。

 初代マンガッタンライナーは2003年に登場。「仮面ライダー」「サイボーグ009」など、故石ノ森章太郎さん(登米市出身)の人気漫画キャラクターが車体に描かれ、幅広い世代に親しまれてきた。老朽化のためJR東日本が運行終了を決めた。

 武川さんによると、同列車のようなラッピング車両は一般的に、企業のキャンペーンで企画されるものが多く、22年も走り続けているのは珍しいという。武川さんは「地元では日常の風景だが、全国的には唯一無二の存在。マンガの列車が走り抜ける石巻の魅力を再認識し、マンガッタンライナーの原点を振り返ってほしい」と話している。

 入場無料。展示時間は石巻駅が始発から終電まで、石ノ森萬画館が午前9時~午後5時。4月1日からは石巻市茜平4丁目のイオンモール石巻で、駅と萬画館に展示した計60点を展示する。5月6日まで。連絡先は武川さん050(8884)9955。

あすトーク

 23日で運行を終えるJR仙石線の初代「マンガッタンライナー」の思い出を語るトークイベントが22日午後2時から、石巻市中央2丁目の市かわまち交流センターで開かれる。参加無料。

 JR石巻駅が主催。同列車の運行開始当時の石巻駅長佐藤光男さん、東日本大震災後の2011年11月から同駅長を務めたJR東日本小牛田統括センター所長の渡辺和利さん、同市中瀬の石ノ森萬画館を運営する街づくりまんぼう社長の木村仁さん、現石巻駅長の三笠亜希子さんの4人が登壇する。

 同列車の誕生経緯や当時のエピソードを披露する。懐かしい写真を紹介するなどして来場者も交えながら思い出話で盛り上がる。同4時まで。

写真展「みんなのマンガッタンライナー」が開催されます | 石巻マンガロード

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