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はねこ踊り、未来遺産に 小中学校での指導を評価 伝統継承へ決意新た 石巻・桃生

伝達式の出席者に踊りを披露する児童生徒
保存会の若山会長(左から3人目)らに登録証などが贈られた伝達式

 石巻市桃生地区に伝わる伝統芸能で県指定無形民俗文化財「寺崎のはねこ踊」の保存会による活動が、日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」に選ばれた。登録証伝達式が3月29日、市桃生公民館であり、関係者は伝統を継承していく決意を新たにした。

 連盟は、伝統文化や自然を将来の子どもに残そうと、保存や継承に向けた活動を未来遺産として登録している。2024年度は全国から32件の応募があり、4件を選出。寺崎はねこ踊り保存会は地元小中学校での指導や、地域の「寺崎八幡神社大祭典」、「ものうふれあい祭」への積極的な参加が評価された。

 伝達式には連盟や保存会の関係者、地域住民ら約70人が出席。未来遺産委員会の斉藤裕嗣委員が保存会の若山智彦会長(67)に登録証を手渡した。斉藤委員は「踊りが100年後の子どもたちにも郷土の誇りとして伝わることを期待している」と激励した。

 若山会長は「保存会や関係者一同、感謝の気持ちを持って子どもたちの指導や伝承に取り組むことを約束する」とあいさつした。市中津山二小や桃生中の児童生徒計15人による踊りの披露もあり、保存会員らのおはやしに合わせ躍動感ある舞を見せた。

 中津山二小5年の成沢綸音(りん)さん(11)は「はねこ踊りは、跳んだり腕を大きく回したりする動きがあって面白い。学校で下級生に教えることで、桃生の踊りとして未来に伝わってほしい」と話した。

 寺崎はねこ踊りは江戸時代に豊作に歓喜した人びとが神社に詣で、踊り跳ねたことが始まりとされる。保存会は1967年に結成され、地元小中学校への指導などを通じて踊りの継承に取り組んでいる。

 未来遺産の選定は2009年に始まり、41都道府県で計87件が登録された。石巻地方では12年度に東松島市宮戸地区の小正月行事「えんずのわり」の保存活動が選ばれた。活動団体には応援金として20万円が贈呈されるほか、連盟のホームページなどで紹介される。

プロジェクト未来遺産 | 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟

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