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虐待、困窮の若者支援 自立援助ホームを開設 あいほーぷ、石巻地方初

あいほーぷ石巻の共用スペース。岸さん(中央)ら職員が、若者の自立を後押しする

 虐待や経済的理由などから家庭で暮らせない若者を支援しようと、石巻市の一般社団法人「あいほーぷ」がこのほど、石巻地方で初となる自立援助ホームを開設した。利用者に安心して過ごせる場を提供し、生活基盤を確立してもらうことで自立を支える。あいほーぷの担当者は「一人一人に合ったサポートを行いたい」と話す。

 自立援助ホームは「社会的養護施設」の一つで、家庭の事情を抱えていたり、児童養護施設を退所したりするなどした15~22歳が共同生活を送る。経済的、精神的に自立して社会で生きる力を身に付ける。

 法人が1月に開設した「あいほーぷ石巻」は木造3階建ての一軒家。プライバシーが確保できる約4畳の個室に加え、共用の台所やリビングなどがあり、入居者やスタッフが食事を囲んだり一緒にテレビを見たりして過ごす。職員3人が常駐し、夜間も1、2人が宿泊。入居者を24時間見守り、家族のように相談しやすい関係を目指す。

 ホーム長の岸大哉さん(33)によると、虐待を受けた人は、掃除や洗濯の習慣や金銭感覚といった生活の基盤が確立されていない場合が多いという。「コミュニケーションを密に取りながら、入居者ができることを少しずつ増やしていく。それが自立への一歩になる」と強調する。

 国の補助金を運営費に充てるため、食費や光熱費、学校の授業料といった利用者負担は生じない。それまでの家庭環境では難しかった勉強や趣味、アルバイトといった「当たり前の生活」(あいほーぷ)を送ることが自立につながるという。

 岸さんは「入居者の興味のある分野を伸ばしながら、ホームを出たときに苦労しないで済み、それぞれに合った生活を送れるようサポートしたい」と語る。入居者保護の観点から施設住所は非公表。連絡先はあいほーぷ0225(98)3068。

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