長男の頬「つまんだ」父親、暴行罪で罰金刑に 仙台地裁

 長男の幼児の頬をつねったとして宮城県内の父親が暴行罪で在宅起訴され、父親が頬を「つまんだ」と仙台地裁が認定し、罰金5万円(求刑罰金10万円)の判決を言い渡していたことが25日、分かった。弁護側は同日、判決を不服として控訴した。

 父親は公判で、長男の態度を注意するために顔を向けるよう求めたが応じず、行為に及んだと供述した。16日の判決で大川隆男裁判官は、父親の行為が長男に顔を向かせるためだったとした上で「指示に従わなかったからとはいえ、有形力を行使するのは、いかにも過剰な対応」と指摘した。

 父子の体格差を踏まえ、「4歳児にとって恐怖を覚える心理的に過酷な体験。手段の相当性を欠き、軽微とは言えない」と判断。親権者に必要な範囲で子を戒めることを認める民法の懲戒権の行使で、正当だとする弁護側の主張を退けた。

 地裁は、事件後見つかり、捜査の端緒の一部となった長男の顔のあざが犯行によるものとする妻の証言の信用性を疑問視。父親の供述に基づき事実認定した。

 判決によると、父親は昨年6月5日、名取市内に止めた自動車内で、長男=当時(4)=の頬を引っ張るため、頬を手で1回つまむ暴行を加えた。

 親による子への体罰を禁じた改正児童虐待防止法が今年4月、施行された。地裁は立法過程などを考慮し、改正法施行前の事件当時について「しつけで有形力を行使することが、広範に許容されていたなどと解釈することはあり得ない」と判示した。

 父親の弁護人は河北新報社の取材に「本来ならば、社会の支援を得て解決するべき家庭内の紛争。刑事司法の過度の介入を肯定する判決だ」と話した。

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